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AptivaにK6-2を入れる 第2話 〜地獄よりの帰還編

前回のあらすじ:むねピ!は、愛機AptivaB65への改造を試みた。メモリの増設とK6-2の移植である。メモリは問題なかったが、K6-2で問題が起きた。それは、あまりに乱雑に扱ったために、ピンが1本折れてしまったのである。

そして、むねピ!は修復を決意したのであった。

私は、折れたピンをハンダづけすることにしました。そこで取り出したのは、一応買ったはいいが、一度も使ったことのないおニューのハンダごて。ハンダの練習をしようと思って買った、電子工作用の、精密向きでないこてです。

実は、父は電子機械製作の仕事をしていて、きっともっと精密なはんだごてを持っているはずなのですが、お金を出してもらった手前、即日壊したなんて死んでも言えません。さらに、「乱暴だからだ」とかいろいろ説教されることは確実です。私はこのまま自分の道具で作業をすることにしました。

修復作業は、折れたピンをピンセットでつまみ、ゲタの折れたピンの跡地にハンダにてくっつける計画です。

折れたピンは、パソコン筐体の上に乗っかっていたので、それをピンセットでつまもうとしました。ピンは細く小さいため、ピンセットではなかなかつまめません。つまみかけても、つるんと弾いてしまいます。そして、何度も弾くうちにとうとうやってしまいました。

折れたピンはどこかへ跳んでいってしまったのです。

作業をしていたのはじゅうたんの上。小さなピンを目を凝らして必死に探しましたが、そうそう見つかるものではありません。用事のためいったん出掛けてから、帰ってまた探しました。しかし見つかりません。次にガムテープを持ってきて、埃を取る要領で飛んでいそうな範囲をぺたぺたやってみました。しかし、とれるのは埃や髪の毛ばかり。ピンはでてきません。

折れたピンがなくては、元に戻すことはできないっ!

そして、修復の野望は絶たれたかに見えました。

しかし、私はしつこい性格です。何か、ピンの代用となるものを探しはじめました。

針金。しかし、針金はふにゃふにゃしてるし、堅いものは太い。ピンとはイメージが違います。

導線。これは論外ですね。

そして、私は、いくつか電子部品を持っていることを思い出しました。以前、パソコン用コントローラーの自作を試みた経験があるのですが、そのときの部品が残っていることを思い出したのです。電子部品の足ならば、ピンと同じ目的を持った部品です。

これだ!

早速部品の入った小袋を振ってみると、抵抗がでてきました。47Ω±5%です。しかし、これは結構大きく、足も太いため使えません。うーん、こまった。

しかし、私は、トランジスタもあったことに気付きました。小袋をさらに振ってみると、案の定トランジスタがでてきました。A1015 8B(書き方あってるかな?)です。どんな特性かは知りませんが、必要なのは足です。どれがゲートだとかはどうでもいいのです。そして、トランジスタの足は、細く、しかも3本もあります。

ああ、神は私に3回のチャンスを与えたもうたのだ。

しかし、3回で成功しなければ、部品屋へ走らなければならない。それに3回もやってはゲタの電子回路が傷むかも知れない。なんとしても1回で成功させねば。

愛用の広い机の上に新聞紙を敷き、はんだごての電源プラグをコンセントに入れます。ゲタをピンを上にして、新聞紙の上に置き、そして、机の照明をつけました。手術開始です。

普通、ハンダづけというのは、部品を取りつけたいところにセットして、ハンダを近づけてこてで溶かしてつけます。しかし、今回は、ピンの接着が目的なので、ピンを作業中に固定することは出来ません。よって、左手のピンセットでトランジスタをつまみつつ、ハンダも持って、右手のこてで接着します。

しかし、初めて使ったマイハンダごて。しかもこんな精密な作業です。手がふるえてなかなかうまくできません。

さらに、ピンの直径より太いはんだごての先端です。ピンの周りの穴と同じくらいあります。

そんな中で、何度もこてを近づけては失敗し、溶けて付着したハンダを振り払いながら試みます。ゲタのプラスチック部分も少し焼けこげが目立ちはじめてきました。しかし、そのトライを繰り返すうちに、私もなんとか慣れてきて、方向性が見えてきました。

まず、ハンダをピン跡地に少し乗せる。そしてトランジスタを近づけて、こてで暖める。するとハンダが溶け手足を接着するはず。私は、この作戦で、さらにトライを繰り返しました。

そして、とうとうトランジスタをピン跡地に接着することに成功したのです。

やった!

また、折れたピンのようになくさないために、トランジスタの足は、切らないで、トランジスタのままつけたので、ゲタという剣山にトランジスタという花を生けたように見えます。しかし、私は成功の興奮とさらに後に控えた挑戦への緊張で、そのような景色を眺める余裕はありませんでした。

接着した足をトランジスタから切り離し、ゲタはまた、全ての足を取り戻しました。しかし、移植した足はどうも不格好に曲がっています。

私は、少し修正しようと移植した足を少し押してみました。

はうっ!

な、なんと移植した足は簡単に折れてしまったではありませんか。

しかし、トランジスタの足はまだあります。1本目の経験を生かし、今度は盛るハンダを多くしてみました。これは私にとってはかなりの技術的挑戦でしたが、1本目よりはうまくいきました。今度ははじめから曲がらないようにまっすぐにゲタへ取り付けるようにしました。

そして、トランジスタはまん中の足でゲタと接着されたのです。

2本目は1本目よりもしっかりついているようです。

ゲタにK6-2を乗せ、マザーボードへ取り付ける作業をはじめました。

ここでまたポキッとかいって折れてしまうとまた大変です。慎重に作業を進めました。やはり、移植したピンは少しずれているせいか、ソケットへの入りが少し悪くなっていました。それでも、なんとかセットは完了し、無事装着は完了しました。

とうとう、何時間ぶりでしょう。パソコンの電源を投入します。しかし、ハードディスクは回るのに、BIOS画面がでない。CPUが動作していません。

ああ、やはりだめだったか。

が、私ははじめのことを思い出しました。電源ケーブルです。また忘れてしまいました。そして、ゲタへのCPUの装着ももう少しきつくしました。

そしてスイッチオン!

やった!成功です!「未知のCPU」エラーのあと、Windows98の起動画面がでました!しばらく使ってみましたが、何ともありません。

東大金田研究室のπ計算ソフト「Superπ」で、耐久実験をしてみました。このソフトはCPUに負荷をかけるためによく使われます。

しかし、数時間の耐久試験にも問題はでません。

移植手術は完全に成功したと判断、こうして、私のK6-2パワーアップ作戦は、幾多の困難を乗り越えつつも無事に完了となったわけです。

パワーアップしたところ

CPU:Pentium166MHz → K6-2 350MHz(400MHzにて動作)。

メインメモリ:32MB → 96MB